共同付加価値税制(「付加価値税指令」)(3/6頁)
付加価値税率
課税対象となる売上に対しては、課税要件が充たされた時点の、課税要件が充たされた加盟国における税率が適用されます。標準付加価値税率は、課税標準の百分率により定められています。この百分率は、2010年12月31日までは、15パーセントを下回ってはなりません。
加盟国は、一種類または二種類の優遇税率を導入することができます。この優遇税率は、5パーセントを下回ってはなりません。優遇税率は、別表第三に掲げられた範疇(カテゴリー)の物の譲渡・サーヴィスの提供についてのみ適用することができます。
但し、加盟国は、天然ガス・電気・〔セントラルヒーティング等に使用する〕熱源(Fernwärme)については、特定の条件の下で優遇税率を適用することができます。
2006年3月31日より前にしかるべき申請を行ったいくつかの加盟国については、理事会より許可が与えられ、2010年12月31日までは、最終消費者に提供されるローカルな性格を有する特定の労働集中型サーヴィス(arbeitsintensive Dienstleistungen)に対して優遇税率を適用することができます。
いくつかの加盟国は、例外の許可によって、特定の分野において優遇税率・特別優遇税率を維持したり、税率を零パーセント(非課税)にする権限を与えられました。
付加価値税の免除
付加価値税を免除された物・サーヴィスには、最終消費者への販売の際に、付加価値税が課せられません。しかし、物の譲渡・サーヴィスの提供が付加価値税から免除されているわけですから、売り手も、自らが仕入にあたって支払った付加価値税を控除することができないことになります。このような「前段階税額控除権のない付加価値税免除」においては、消費者の支払う価格には「隠れた」付加価値税が含まれていることになります〔売り手が、仕入税額を控除できないので、事実上価格に転嫁することになるため〕。したがって、この種の付加価値税免除は、いくつかの加盟国において維持された「付加価値税零パーセント」とは区別すべきものです。後者においては、消費者の支払う最終価格にはまったく残りの付加価値税が含まれません〔売り手も仕入の際に付加価値税を支払う必要がないため〕。
これに対し、「前段階税額控除権限ある付加価値税免除」というものもあり、その主たる目的は、物・サーヴィスが消費・課税されたとみなされる場所を考慮することにあります。すなわち、これらの売上については仕向地国において課税されるため、付加価値税は原産地国においては免税となるということです。
前段階税額控除権のない付加価値税免除
以下の活動については、社会経済的な理由により、付加価値税が免除されます:
- 特定の公益活動(例えば、医療行為、社会福祉事業に関連する物やサーヴィス、学校や高等教育機関の授業、特定の文化的サーヴィス)
- 特定の売上(とりわけ、保険、信用貸付、特定の銀行サーヴィス、切手の販売、富くじ・賭博、特定の不動産譲渡を含みます)
物品の流通を容易にするため、欧州共同体外の領域からの特定の輸入については、付加価値税が免除されます。これに該当するのは、例えば、ある物を終局的に〔=中継等ではなく〕輸入する場合で、当該物の販売が当該輸入加盟国において付加価値税免除とされているような場合です。その他、これに該当するものには、欧州経済共同体指令1969年169号が輸入について規定している物(旅行者手荷物)、欧州経済共同体指令1983年181号が輸入について規定している物(非商業的目的により輸入される物)、欧州共同体指令2006年79号が輸入について規定している物(商業的な性質を有しない小型送付により送付される物)があります。
前段階税額控除権のある付加価値税免除
以下の売上については、物・サーヴィスの消費・課税地とみなされる場所を考慮するために、付加価値税が免除されます:
- 「共同体内の物の譲渡」。これには、一つの加盟国から他の加盟国に送付される「新規乗物」や「個別消費税の課税対象物品」も含まれます。
- 欧州共同体から「第三地域」・第三国への物の輸出。
- 国際輸送に関連する特定の売上、輸出と同等の性質を有する売上。
- 仲立人が輸出に分類される行為に参加した場合の仲立人のサーヴィス。
- 越境的な物品取引の売上のうち特定のもの(例えば、保税倉庫その他の倉庫に関連するもの)。
前段階税額控除
付加価値税納税義務者が物・サーヴィスを取得した場合には、当該納税義務者が経済活動を行った加盟国における付加価値税額を控除する権利があります。但し、当該物・サーヴィスを、自らの業務活動のために使用する限りにおいてです。納税義務者が、住所ないし営業上の本拠地を有しない加盟国において付加価値税を支払った場合には、特別手続により還付を受けることができます。なお、付加価値税を免除された経済活動を営む場合や、特定の特則(例えば、小企業に対する付加価値税免除)が適用されている場合には、前段階税額控除の権限もありません。
特定の場合においては、前段階税額控除が限定ないし修正されることがあります。前段階税額控除を行えるためには、特定の条件(例えば、インボイスが存在していること)が充たされなければなりません。
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