共同付加価値税制(「付加価値税指令」)(4/6頁)
納税義務者の義務、特定の非納税義務者の義務
付加価値税債務の債務者となるのは、以下の人々です:
- 課税対象となる物の譲渡・サーヴィスの提供を行った納税義務者。但し、他人が租税債務者となる場合(例えば、「リヴァース・チャージ手続」により顧客側が租税債務者となる場合)を除く。
- 課税対象となる物の「共同体内の譲渡」の譲受人。
- 輸入の場合には、輸入加盟国が租税債務者として規定・認定する者。
納税義務者は、納税義務者としての活動を変更・終了する場合には、それを届け出る必要があります。また、納税義務者には、十分詳細な記録を行うことが義務付けられています。
納税義務者は、他の納税義務者・納税義務のない法人に対して行う物の譲渡・サーヴィスの提供について、十分詳細なインボイスを発行することを保証しなければなりません。その他の特定の場合にも、インボイスを発行しなければなりません。
例外
加盟国は、付加価値税の徴収を簡素化するため、または、特定の租税詐欺や脱税を防止するための例外手続を導入する許可を、特定の条件の下で得ることができます。
特則
以下の分野においては、付加価値税の特則があります:
- 小企業。
- 農業生産者(共同概算規定)。
- 中古品、芸術品、収集品、骨董品。
- 投資用の金地金。
- 旅行業者。
- 電子的に提供されたサーヴィス。
消費者
特定の付加価値税規定は、事業者だけでなく個人・消費者をも対象としています。例えば、個人が他の加盟国において物を取得した場合が、これに該ります。当該物が消費者により住所地に移動された場合には、付加価値税は、当該物が譲渡された(すなわち「源泉」の)加盟国において、付加価値税が支払われることになります。付加価値税を免除された特定の納税義務者や、付加価値税を免除された法人についても、特定の数量については、他の加盟国において〔付加価値税を支払って〕物を取得する権利があります。このことは、加盟国間の物品流通に関する現行規定から導き出されます。上記の人々に適用されるルールは、「譲渡された物・提供されたサーヴィスの源泉加盟国における課税の原則」に基づくものです(「概要」末尾を参照のこと)。
但し、この「源泉地主義」は、遠隔地取引により販売された物(すなわち、売り手と買い手が物の発送の時点で異なる加盟国にいる場合)には適用されません。当該物の価額が特定の基準値(加盟国により3万5000ユーロないし10万ユーロ)を上回る場合には、譲渡人は、「仕向地国主義」を適用しなければなりません。また、個別消費税の課税品目の遠隔地取引については、原則として、譲渡人は「仕向地国主義」を適用しなければなりません。「仕向地国主義」によれば、譲渡人はインボイスにおいて、仕向地国における付加価値税を、仕向地国に適用されている税率で請求しなければなりません。
他の加盟国において「新規乗物」を取得する場合には、「源泉地主義」は適用されません。この場合には、仕向地国において取得者により付加価値税が支払われます。
背景
この「付加価値税指令」は、制定以来30回以上の改正を経てきた「共同付加価値税制及び統一的課税標準に関する欧州経済共同体第六指令1977年388号」を大改正するものです。この大改正により、「欧州経済共同体指令1977年388号」は、現行の規定に〔内容的な〕変更を加えることなく、2007年1月1日をもって、これまでの改正を織り込んだ単行法令にまとめられます。
「現行の付加価値税についての経過規定は、加盟国間の通商取引の課税についての終局的な規定(原則として、譲渡された物・提供されたサーヴィスの源泉国において課税するもの)に置き換えられるべきである」ということについては、この「付加価値税指令」が疑いを差し挟むことはありません。ただ、そのような規定の導入によって、満足の行くような法的枠組が整えられるまでは、付加価値税についての過渡的な制度下において、さまざまな税制が維持されなければなりません(但し、国境での検査は維持されてはなりません)。長期的な目的は、物の売り手が付加価値税を請求する(つまり、源泉地主義に基づいた)「共同付加価値税制」を創設することです。過渡的な制度においては、個人については源泉地主義に基づいており、EUのどこで物品を取得し(て付加価値税を支払ってい)ようと、付加価値税を二度支払わされることがないようになっています。但し、この原則には特定の例外があります(例えば、「新規乗物」の取得や遠隔地取引)。納税義務者間の取引については、依然として、仕向地国主義に基づいています。
第六指令の規定と新指令のつながりが分かるよう、付加価値税指令の末尾には比較表がついています。
法令キーワード
- 「第三地域(Drittgebiete)」:加盟国の一部であるが、付加価値税の目的においては、共同体の外部にあると扱われる地域。
- 「新規乗物(Neufahrzeuge)」:
- 排気量48cc以上または馬力7.2キロワット以上の陸上自動車で、最初の使用後6箇月以内に譲渡が行われた場合、または、走行距離が6000キロメートルを超えていない場合。
- 全長7.5メートル以上の艦船(公海上において対価をとる旅客交通を行い、商業活動を営み、事業場の目的または漁業のために使用される艦船、海上における海難救助船・救援船、沿岸漁業船を除く。)で、最初の使用後3箇月以内に譲渡が行われた場合、または、航行時間が100時間を超えていない場合。
- 積載時の総重量が1550キログラム以上の航空機(主として対価をとって国際交通業を営む航空会社により使用される航空機を除く。)で、最初の使用後3箇月以内に譲渡が行われた場合、または、航空時間が40時間を越えていない場合。
- 「個別消費税の課税対象物品(verbrauchssteuerpflichtige Waren)」:エネルギー製品・アルコール・アルコール飲料・共同体の現行法に基づくタバコ製品(電気、ガス供給網により供給されるガスを除く。)
- 「課税要件(Steuertatbestand)」:課税請求権の法律上の要件となる構成要件事実。
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