租税・関税政策のリスボン戦略への貢献

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欧州委員会は、EUがリスボン戦略の目的を達成するのに役立つような、EU全域に亘る租税・関税措置の計画を開始しました。25か国〔当時〕の国内税制が共存していることにより、域内市場の便益を十分に享受することができなくなってしまっています。この措置案の目的は、共存する国内税制が市場統合に対して持ちうる負の効果を縮小することです。

法令

2005年10月25日の理事会および欧州議会に対する欧州委員会告示――租税・関税政策のリスボン戦略への貢献(欧州委員会2005年532号最終版、官報未登載)

概要

欧州委員会は、2005年に、リスボン戦略の再活性化を提案しました。この告示は、リスボン戦略の租税・関税目的に達するために欧州共同体がとるべき措置とイニシアティヴについて記述したものです。

これらの措置の目的は次の2点です:

  • 欧州連合を、投資・労働に関してより魅力的な場所とすること。
  • 知識とイノヴェーションを増大・改善することにより、成長を後押しすること。

投資と市場統合

この告示で提案された租税・関税措置は、

  • 域内市場の拡大・深化
  • EU内・EU外の開放的かつ競争的な市場の保証
  • EU立法・国内立法の改善

によって、EUを投資・労働に関してより魅力的な場所とすることを目標としています。

域内市場の拡大・深化

〔相異なる〕複数の国内税制は、EU市場統合に対して負の効果を持っています。域内市場の便益を十分に抽き出すためには、残存している障壁を取り払うべきです。欧州委員会は5つのカテゴリーの措置を提案します。

異なる法人税制が共存しているため、越境的な活動は類似の国内の活動とは異なった〔法人税法上の〕取扱を受けています。第一の措置は、「EU企業共同統合法人税課税標準」(CCCTB = Common Consolidated Corporate Tax Base for EU businesses)を導入することです。このCCCTBは、欧州委員会が2001年以来取り組んでいる戦略です。

第二の措置は、租税環境の単純化を目指すものです。機会の均等を実現するためには、以下のものに関して、法人課税上の障壁を取り除かなければなりません:

  • 付加価値税法令遵守義務。
  • 本拠地国課税アプローチ(Home State Taxation approach)の実験的な適用。
  • 国際的なサービスに関する付加価値税のルール。
  • 金融サービスについての付加価値税のルール。
  • 公益サービスの免税について管理するルール。

第三の措置は、EUの企業が面した越境的な関税障壁を取り除くことを目指すものです。CCCTBの導入がペンディングとなっているため、欧州委員会は、次のものを機能させようと計画しています:

  • 越境的な損失控除の制度。
  • 移転価格操作を管理する制度。
  • 資本税等の数多くの間接税を廃止する措置。

第四の措置は、加盟国登録税に取って代わる新たな自動車課税戦略を創設することを目指すものです。

第五の措置は、詐欺行為と脱税による不正と戦う新しい政策を関するものです。

開放的および競争的な市場

海賊版や偽造品は、EU企業の工業所有権・知的財産権を侵害するものです。したがって、知的財産権を保護するアクションが必要となっています。欧州委員会は、2005年10月に、偽造と海賊版における最新の傾向に対する税関の対応についての告示を採択しました。

欧州委員会は、関税立法を改善し、「電子税関」(eCustoms)を促進するため、以下の件に関する告示を採択しました:

  • 関税と通商について、より単純でペーパーレス環境を築くこと(電子税関)。この告示は、共同体関税法典(Community Customs Code)現代化の一部であり、また、電子政府(eGovernment)プログラムの一部でもあります。
  • 行政手続を簡素化するために対外国境の管理を統合するにあたっての関税の役割。

EU立法・国内立法の改善

第六付加価値税指令の付加価値税ルールの現代化は、取引者に明確なルールを提供するのに必要です。これらのルールをより画一的に適用していくことは、法的拘束力のある規定を制定することとともに、現存する偏差を共同体レヴェルで除去していくのに役立つでしょう。要するに、付加価値税制のより画一的な適用は、EU企業に対する支援となります。

知識とイノヴェーション

知識とイノヴェーションを増大・改善することにより成長を後押しするため、この告示は、以下を目的とする租税・関税措置を提示します:

  • 研究開発投資の優遇。
  • 資源の持続可能な使用の促進。

研究開発

欧州委員会は、研究開発投資を増加・改善するため、研究開発促進税制についてのガイドラインを採択することを提案しています。このガイドラインは:

  • 研究開発促進税制のためにカギとなるEU法上の要請を設定し、
  • いくつかの加盟国における、研究開発の税法上の取扱や研究開発促進税制についてのベストプラクティスを紹介し、
  • 加盟国に対して、政治的なメッセージを送り、将来とりうるイニシアティヴの内容を説明する

ものであるべきです。

資源の持続可能な使用

間接税制は、特にエネルギー・輸送・環境の分野で、資源の持続可能な使用において重要な役割を果たすことができます。エネルギー製品の課税・商用ディーゼル燃料の課税・エネルギー課税・自動車課税についての指令は、この例です。

関連法令

企業課税

欧州議会、理事会および欧州経済社会委員会に対する欧州委員会告示――成長および雇用の改善ならびにEUの企業の競争力強化のための欧州共同体プログラムの実施:共同統合法人税課税標準(CCCTB)に関する提案に向けた2006年中のさらなる前進および次の一歩(欧州委員会2007年223号最終、官報未登載)

理事会、欧州議会および欧州経済社会委員会に対する欧州委員会告示――共同体リスボン・プログラムの実施――共同統合法人税課税標準(CCCTB)に向けたこれまでの前進および次の一歩(欧州委員会2006年157号最終、官報未登載)

理事会、欧州議会および経済社会委員会に対する欧州委員会告示――域内市場における中小企業の法人税障壁への取り組み――可能性のある本拠地国課税パイロット・スキームの概要[…](欧州委員会2005年702号最終、官報未登載)

2003年11月24日の理事会、欧州議会および欧州経済社会委員会に対する欧州委員会告示――法人税障壁のない域内市場:達成事項、進行中のイニシアティヴおよび残存した問題(欧州委員会2003年726号最終、官報未登載)

2001年10月23日の理事会、欧州議会および経済社会委員会に対する欧州委員会告示――租税障壁のない域内市場に向けて――EU全域的な企業活動のための統合法人税課税標準を会社に対して設定する戦略(欧州委員会2001年582号最終、官報未登載)

自動車課税

乗用車に関する租税についての2005年7月5日の理事会指令案(欧州委員会2005年261号最終、官報未登載)(手続 CNS/2005/0130

原文最終更新:2007年5月24日
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