関税:序説(1/4頁)
関税政策は、欧州連合(EU)の基盤の一つです。関税政策がなければ域内市場は機能しません。なぜなら、域内市場が機能するためには、欧州共同体のすべての域外国境において統一的に適用される共通の法令が必要だからです。このような法令の集積が、関税政策を形成しています。この関税政策のおかげで、25加盟国〔当時〕の税関があたかも単一の官庁のごとく行動することが可能となっています。
根拠法令
関税同盟の本質的な要素は、欧州共同体設立条約に含まれています。欧州共同体条約23条によれば、関税同盟はすべての物品取引をカヴァーしています。関税同盟により、加盟国間で輸入関税・輸出関税を徴収することが禁止されるとともに、その他の同様な賦課金を徴収することも禁止されています。また、関税同盟により、対外的な共同関税率(GZT = Gemeinsamer Zolltarif、第三国からの物品の輸入に対する統一的な関税率)の導入も定められています。加盟国は、各国の関税率を、欧州共同体全域に適用される共同関税率に置き換えることで合意しました。
欧州共同体条約の24条から31条には、関税同盟と加盟国間の数量制限の禁止に関するさらなる規定が置かれています。欧州共同体は、域内国境のない共同領域(ein gemeinsames Gebiet ohne Binnengrenzen)を形成しており、この内部においては、自由な物品取引が保障されています。関税同盟の対内的な側面が物品取引の自由の原則である一方、関税同盟の対外的側面が共同関税率です。なぜなら、これにより、仕向地国がどこであるかに関係なく、第三国からの輸入品に対して統一的な関税を適用することができるからです。
関税政策〔の政策形成・立法行為〕は欧州共同体の管轄に属しますが、その執行は加盟国が担当します。とくに、関税法令違反の摘発については、加盟国の管轄に属します。日々EU法令(関税徴収、輸入品に対する個別消費税・付加価値税)を適用することが、加盟国の税関の任務です。
関税政策の発展や法令案の起草にあたってイニシアティヴを発揮することは、欧州委員会の管轄です。さらに、加盟国税関行政の調整や、EUレベルでの業界からの意見聴取・情報取得についても、欧州委員会の管轄となります。
共同関税率の税率は、欧州委員会の提案に基づき、理事会が特別多数決により定めます。通常の共同関税率の適用の例外(共同体関税割当、関税限度額、完全または部分的な関税停止)を定めることができるのは、理事会のみです。
関税の譲許や引下げに関する交渉は、「関税及び貿易に関する一般協定」(GATT)のような国際的な枠組において、欧州共同体が行います。欧州共同体は、以下の条約の当事国です:
- 税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約〔京都規約〕(1974年以来)
- 物品の国境検査の簡易化及び調和に関する国際規約(1982年以来)
EUは、カナダ・中国・合衆国・香港・インド・韓国と、税関分野における協力と共助に関する協定を締結しました。さらに、EUは他の国々にも関与しており、とりわけ職業教育・情報提供プログラムや税関の現代化を行うにあたって、これらの国々を支援しています。
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