関税:序説(4/4頁)
EU関税公安プログラム(CSP)は、前述の措置の発展や実施にあたってのさまざまな活動を包括するものです。このプログラムにおいては、以下の目的を追求するバランスのとれたコンセプトをサポートします:
- 域内市場を守るための効果的な公安コントロールを導入すること、(重要な通商相手との緊密な協力の下に)国際供給連鎖を守るための効果的な公安コントロールを導入すること。
- 自らの影響範囲において国際供給連鎖の安全性に貢献する義務を負う事業者に対しては、手続を簡易化すること。
認定事業者(AEO)の地位の導入は、関税公安プログラム(CSP)の重要な構成要素の一つです。関税法典の施行細則の施行後、加盟国は、コントロールシステム・支払能力・法令遵守の観点による一定の基準を充たすあらゆる事業者に対して、認定事業者(AEO)の地位を認定することができます。一つの加盟国において認定された認定事業者(AEO)の地位は、他の加盟国でも承認されます。但し、当該他の加盟国において、関税法上のすべての簡素化・容易化に対する請求権が自動的に認められるわけではありません。もっとも、簡素化・容易化についての特定の要件を認定事業者(AEO)が充たしている場合には、他の加盟国はこれらの簡素化・容易化をすべて認めることになります。加盟国は、簡素化申請書の審査にあたっては、当該事業者に認定事業者(AEO)の地位を認定した他の加盟国が既に行った審査(コントロールシステム・支払能力・法令遵守)を繰り返す必要はありません。但し、前者の加盟国は、それぞれの簡素化について場合によって必要となる追加的な要件を充たしているとの心証を得ていなければなりません。他の加盟国における簡素化の適用については、関係税関間の合意により調整を行うこともできます。
さらに、欧州共同体は、第三国との協力を行い、関税分野において公安政策的観点からの協力を強化することができます(例えば、合衆国、カナダ、アジア諸国等)。欧州共同体と合衆国の間の関税分野における協力及び共助に関する1997年の協定は、2004年に公安問題の協力にも拡張されました。
この協定により、EUと合衆国の双方における相互の治安改善が可能となりました。これは、以下の措置により通商の容易化と公安上の利益との間の適切なバランスを保障しようとするものです:
- 通商の流れに対して税関が総合的なコントロールを行う際には、公安の観点を適切に考慮すること。
- コントロールの範囲と基準については、合衆国の事業者と欧州共同体の事業者の間で、同等の水準とすべきこと。
ITシステム
税関情報システム(ZIS)等のさまざまなITシステムの導入は、個々の加盟国の行政庁間の協力の改善や加盟国行政庁と欧州委員会の間の協力の改善に役立つものです。これにより、関税詐欺の撲滅が強化されると同時に、関税法令がきちんと適用されるようになります。
欧州委員会は、関税・通商について、簡素でペーパーレスな作業環境の導入を提案しています。そのために、欧州委員会は、相互操作可能な電子税関システムを提案しています。これにより、税関は、欧州共同体の国境を越える物品取引に関するデータを交換することができるようになります。
偽造品・海賊品
欧州委員会は、偽造品・海賊品の撲滅を改善する税関措置パッケージをいろいろと提案しています。これらの措置は、法令の改善、税関と事業者のパートナーシップの強化、国際協力の拡大を含んでいます。
さらに詳しい情報は、欧州委員会租税・関税同盟総局のウェブサイトにおいて得ることができます。
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